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解体コラム

アスベストとグラスウールの違いを構造や見分け方・危険性の観点から徹底解説

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岡山市を中心に岡山県全域で解体工事を手がけるアクティブ岡山解体のブログ担当が、暮らしに役立つ情報をお届けします。

「自宅の天井や壁に使われている断熱材がアスベストかグラスウールか分からず不安…」という方も多いのではないでしょうか?

本記事では、アスベストとグラスウールの違い、見分け方、健康への影響などについて、解体工事・アスベスト対策を行う株式会社ACTIVEが分かりやすく解説します。

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グラスウールとアスベストの4つの違い

まずはグラスウールとアスベストの基本的な違いを整理します。両者は見た目が似ていることもありますが、実は性質やリスクが大きく異なります。ここでは次の4つの観点から比較します。

  • 有害性:人体への影響や発がん性の有無
  • 物質構造:原料や繊維の構造の違い
  • 耐熱・断熱性:断熱材としての性能の違い
  • 製造過程と使用年代:いつ頃どのような建物に使われたか

有害性|アスベストは発がん性あり、グラスウールは一般にリスクが低い

有害性の違いは、アスベストとグラスウールを比較するうえで最も重要なポイントです。

  • アスベスト:世界的に発がん性が認められた鉱物繊維
  • グラスウール:ガラスを原料とした人工繊維で、適切に使えばリスクは低いと評価されている
  • どちらも「粉じん(細かい粉や繊維)」を吸い込まない管理が重要

アスベスト(石綿)は、非常に細かい繊維状の鉱物で、空気中に飛散した繊維を長期間吸い込み続けると、肺がんや中皮腫などの健康被害を引き起こす可能性があるとされています。そのため、日本では現在、原則として製造・使用が禁止されています。

一方、グラスウールは、ガラスを高温で溶かして繊維状にした「ガラス繊維」の断熱材です。国際的な評価としては、「通常の使用環境では発がん性は確認されていないグループ」に分類されることが多く、アスベストとは明確に区別されます。ただし、施工時に大量の粉じんを吸い込むと、目や皮膚、喉に刺激を感じることがあるため、マスクや手袋などの保護具の着用が推奨されます。

物質構造|ガラス繊維と天然鉱物繊維の違い

次に、原料と物質の構造の違いを見ていきます。

  • グラスウール:溶かしたガラスを細く引き伸ばした人工のガラス繊維
  • アスベスト:天然の鉱物が繊維状になったもの(鉱物繊維)
  • 繊維径(太さ)や表面の状態が大きく異なる

グラスウールは、ガラスを溶融し、細い繊維状に加工したものです。繊維の太さはアスベストよりも太く、直径が数μm程度とされることが多く、肉眼でもふわふわした綿のような見た目をしています。

一方、アスベストは「クリソタイル」「アモサイト」「クロシドライト」など、いくつかの種類がある天然鉱物です。繊維径が非常に細く、肺の奥深くまで到達しやすいことが健康リスクを高める要因とされています。繊維1本1本が鋭い針のような性質を持ち、いったん体内に入ると排出されにくいことも問題となりました。

耐熱・断熱性|アスベストは耐熱性に優れ、グラスウールは断熱材として主流

両者は「熱に強い」「断熱性に優れる」という点で共通しますが、得意とする性能が少し異なります。

  • アスベスト:高い耐火性・耐熱性を持ち、かつ比較的安価だった
  • グラスウール:断熱性と吸音性に優れ、住まいの断熱材として広く普及
  • 現在の住宅の断熱材は、ほとんどがグラスウールや他の断熱材に置き換わっている

アスベストは、かつては耐火被覆材やボイラー周りの保温材、防火区画の建材など、高い耐熱性が求められる場面で多く使われていました。特にビルや工場などの大規模建物で使用されたケースが多く見られます。

グラスウールは、住宅の壁・天井・床などに充填する断熱材としてよく使用されます。空気を多く含む構造のため断熱性や吸音性に優れ、室内の温度差を抑えたり、防音性能を高めたりする目的で採用されています。耐火性も一定程度あり、現代の建物で一般的な断熱材のひとつです。

製造過程と使用年代|1970〜90年代を境に大きく変化

最後に、いつ頃どのように使われていたかという「年代」の違いを押さえておきましょう。

  • アスベスト:日本ではおおむね1970年代頃まで広く使用され、その後段階的に規制・禁止
  • グラスウール:1970〜80年代以降に普及し、1990年代以降は代表的な断熱材として主流に
  • 築年数によって、アスベスト含有の可能性が変わる

日本では、1960〜70年代にかけてアスベストを含む建材が多く使用されましたが、健康被害が社会問題となり、1990年代以降は段階的に規制が強化され、現在は原則として製造・使用が禁止されています。

一方で、グラスウールはアスベストに代わる断熱材として1970〜80年代から普及が進み、1990年代以降は住宅やビルの断熱材として一般的な選択肢になりました。「古い建物だから必ずアスベスト」「新しい建物だから安全」とは言い切れませんが、築年数はリスクの目安になるため、解体工事やリフォーム前には必ず専門業者に調査を依頼することをおすすめします。

グラスウールにアスベストが含まれることはある?

「グラスウール=安全」「アスベスト=危険」とざっくり区別されがちですが、「グラスウールの中にアスベストが混ざっていないか」を心配される方もいるかと思います。基本的には別物なので、グラスウールそのものにアスベストは含まれないということになります。

グラスウールはガラスを原料とした人工繊維であり、製造工程もアスベストとは全く異なります。そのため、「グラスウール=アスベスト」といった誤解は正しくありません。現在流通しているグラスウール断熱材については、アスベストを含まないことが前提となっています。

グラスウールとアスベストの見分け方

次に、「自分で見分けられるのか?」という疑問にお答えします。見た目が似ている場面もあるため、注意点を整理しておきましょう。

見た目・触り心地で分かるポイント(あくまで目安)

あくまで「目安」として、グラスウールとアスベストの一般的な見た目の違いをご紹介します。

  • グラスウール:黄色やピンク、白色のふわふわした綿状。袋入りの断熱材として使われることも多い
  • アスベスト含有吹き付け材:灰色〜白色でザラザラした表面。天井や梁に厚く吹き付けられていることが多い
  • アスベスト含有成形板:スレート板や耐火間仕切り板など、固く成形された建材に混ざっていることもある

ただし、経年劣化や汚れ、塗装などによって見た目が大きく変化している場合もあり、外観だけでの判断は非常に危険です。むやみに触ったり、削ったり、壊したりすることは避けましょう。

使用場所と建物の年代から大まかに推測する方法

アスベストが多く使われていた年代や用途を知ることで、リスクの高い箇所をある程度推測できます。

  • 1970年代以前に建てられたビル・工場・学校などの大規模建物
  • 天井裏の吹き付け材、機械室の保温材、煙突まわりの耐火被覆
  • 屋根スレート、外壁サイディング、耐火間仕切り板などの成形板建材

一方で、住宅用の壁・天井の断熱材として黄色い綿状の材料が袋に入って施工されている場合は、グラスウールであることが多いです。しかし、「多い」「可能性が高い」というレベルの話にとどまり、確定はできません。

最終的な判定は専門分析が必須

アスベストかグラスウールかを確実に見分けるには、専門機関による分析が不可欠です。一般的には、建材の一部をサンプリングし、顕微鏡観察やX線回折などの方法で、繊維の種類や石綿含有の有無を確認します。

個人で判断しようとして建材を壊したり、掃除機で吸い込んだりすると、かえってアスベストが飛散するリスクを高めてしまうおそれがあります。少しでも不安がある場合は、必ずアスベスト調査に対応できる専門業者に相談してください。

グラスウールとアスベストの危険性

ここからは、それぞれが人体にどのような影響を及ぼす可能性があるのかを整理します。解体工事やリフォームを行う際には、この違いを理解しておくことが大切です。

アスベストの危険性|長期暴露による健康被害

アスベストの危険性は、長期間にわたり繊維を吸い込むことで現れる健康被害にあります。特に問題となるのは以下のような病気です。

  • 中皮腫
  • 肺がん
  • 石綿肺(じん肺の一種)

アスベスト繊維は非常に細く、肺の奥深くまで到達しやすい性質があります。また、体内に入ると排出されにくく、長期にわたって組織にとどまり続けると考えられています。そのため、多くの国で使用が禁止され、日本でも解体工事やリフォーム時には特別な工法や届出が義務付けられています。

グラスウールの危険性|適切に扱えばリスクは低いが保護具は必要

グラスウールは、アスベストのような強い発がん性は認められていないとされており、現在も住宅やビルの断熱材として広く使われています。ただし、粉じんを大量に吸い込んだり、素手で触ったりすると、以下のようなトラブルが起きることがあります。

  • 皮膚のチクチク感やかゆみ
  • 目の刺激、充血
  • 喉の違和感や咳

これらは、一時的な刺激症状とされることが多いですが、作業中はマスク・ゴーグル・手袋・長袖などの保護具を使用し、繊維が体に触れたり、体内に入ったりしないようにすることが大切です。グラスウールも、適切な施工と管理を行うことで安全性を高められます。

解体・リフォーム時の共通の注意点

アスベストかグラスウールかにかかわらず、解体やリフォームの際には粉じんが発生しやすくなります。次の点に注意しましょう。

  • 事前にアスベスト含有の有無を調査する
  • アスベストが見つかった場合は、資格を持つ専門業者に除去・封じ込めを依頼する
  • グラスウールの撤去でもマスクや保護具を着用する
  • 産業廃棄物として適切に処分する

特にアスベストの場合は、自治体への届出や作業員の保護、飛散防止のための養生などが法令で厳しく定められています。こうした対応を、経験のある解体業者に任せることが安全につながります。

よくある質問

最後に、解体工事をご検討中の方からよくいただくご質問をまとめました。

Q1. グラスウールは本当に安全ですか?

グラスウールは、現在広く使われている断熱材であり、アスベストのような強い発がん性は認められていないとされています。ただし、施工中や撤去時に繊維を大量に吸い込んだり、素手で触れたりすると、皮膚や目、喉に刺激を感じることがあるので、施工・撤去時にはマスクや手袋、長袖の着用が推奨されます。

Q2. 自分でアスベストかどうか確認しても大丈夫ですか?

ご自身で建材を削ったり、壊したりして確認することは絶対におすすめできません。アスベストが含まれていた場合、繊維が飛散し、かえってリスクを高めてしまうおそれがあるので、不安を感じたらまずは解体業者やアスベスト調査会社に相談しましょう。

Q3. アスベストが含まれていると解体費用はどれくらい変わりますか?

アスベストが含まれている場合、通常の解体工事に比べて費用が高くなる傾向があります。理由としては、飛散防止のための養生や負圧集じん機の設置、作業員の保護具、産業廃棄物としての特別管理型処分などが必要になるためです。建物の規模やアスベストのレベル(使用状況)によって費用は大きく変動するので、まずは見積もりを依頼するようにしましょう。

まとめ|アスベストとグラスウールの違いを理解して安全な解体を

アスベストとグラスウールは、見た目が似ている場面もありますが、「有害性」「原料」「性能」「使用年代」など、さまざまな点で大きく異なります。特にアスベストは発がん性が指摘されており、解体やリフォームの際には専門的な調査と適切な工事が欠かせません。

一方で、グラスウールは現在も広く使われている断熱材であり、適切に施工・管理すれば一般に安全性が高いと評価されています。ただし、どのような断熱材であっても、施工中や撤去時には粉じん対策や保護具の着用が重要です。

最後に、本記事の内容をあらためて整理します。

  • アスベストは天然の鉱物繊維で発がん性があり、日本では原則として使用が禁止されている
  • グラスウールはガラス繊維の断熱材で、適切に扱えばリスクは低いと評価されている
  • 見た目だけでの判定は危険であり、アスベストの有無は専門分析で確認する必要がある
  • 解体・リフォーム時には、事前のアスベスト調査と、法令に沿った工法・廃棄物処理が重要

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Writer この記事を書いた人

菊池 哲也 株式会社ACTIVEの代表取締役

岡山県生まれ、岡山在住。解体工事は年間300件以上、アスベスト調査除去も行う解体工事のプロフェッショナルです。創業から30年以上培ってきた豊富な知識と経験で、迅速かつ安心安全でクオリティの高い施工を行っています。岡山で解体工事のことならお気軽にご相談ください。

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