岡山で解体工事を検討している方へ。

地域のみなさま、いつもありがとうございます。
岡山市を中心に岡山県全域で解体工事を手がけるアクティブ岡山解体のブログ担当が、暮らしに役立つ情報をお届けします。

この記事では、井戸埋め戻しの費用相場、作業の流れ（お祓い・息抜き・埋め戻し）、注意点をまとめて解説しています。井戸の深さや地盤、施工方法で金額は変わります。迷いや不安を減らし、安全で適正な工事に進むポイントをまとめましたので、井戸の埋め戻しを検討されている方はぜひ参考にしてみてください

井戸埋め戻しとは？お祓い・息抜きの位置づけ

井戸埋め戻しとは、使わなくなった井戸や解体工事で出てきた古井戸を安全に閉鎖し、地盤の安定と衛生・環境面のリスクを抑える作業です。地域によってはお祓い（神主・僧侶）や「息抜き」（井戸内の空気やガスを逃がし、井戸の存在に感謝する儀式的・安全上のプロセス）を行う慣習があります。お祓いは精神的な安心材料になり、息抜きはガス・臭気の滞留解消や作業者の安全確保に役立ちます。

使わない井戸を「ただ蓋で塞ぐ」ことが良くない理由

• 地盤沈下・陥没リスク：空洞が残ると沈下の可能性があるため、適切な充填が必要です。
• ガス・臭気の滞留：井戸内にガスが溜まると危険です。息抜きで安全に抜いてから作業します。
• 衛生・水質面の懸念：井戸内にゴミが残ると地下水や周辺土に悪影響を与える恐れがあります。

井戸の埋め戻しは「安全性＋地域慣習＋将来の土地利用」を踏まえて計画する

はじめて井戸の埋め戻しを検討する方にとって大切なのは、次の3点を同時に満たすことです。

①安全に空洞をなくして地盤を安定させる、②地域の慣習（お祓い・息抜き）に配慮して家族の気持ちも尊重する、③将来の建て替えや売却に備えて記録を残す、の3つです。

これらを押さえると、不要なトラブルや工事のやり直しを避けやすくなります。

• 安全性：息抜きの実施方法、充填材の種類・数量、転圧の手順を決める。
• 慣習への配慮：お祓いの要否、依頼先、日程（解体や他工事との兼ね合い）を決める。
• 将来の説明資料：撮影・書類化の範囲（写真・図面・使用材の伝票）を決める。

安全性

安全性では、井戸内に残る空気やガスを「息抜き」で逃がし、ゴミや堆積物を取り除いたうえで、条件に合った充填材（砂・砕石・セメントミルク・ベントナイトなど）を段階的に投入・転圧します。これにより、沈下や陥没のリスクを下げ、地下水や周辺土への悪影響を抑えます。口径・深さ・水位によって必要量や作業時間が変わるため、現地調査は必須です。

地域慣習への配慮

地域慣習への配慮としては、お祓い（神主・僧侶）を行う地域もあります。法的義務ではありませんが、長く生活を支えた井戸への感謝やご家族の安心感につながります。実施する場合は日程・流れを事前に共有し、謝礼は地域相場に合わせて準備しましょう。

将来の説明資料

将来の土地利用を見据えるなら、作業記録の保管が重要です。位置（座標や平面図）、深さ・口径、井戸内の状態、充填材の種類と投入量、写真（作業前・途中・完了）、作業日誌をまとめておくと、建築計画の説明や不動産売却時の安心材料になります。必要に応じて地盤調査や表層改良と組み合わせ、建物の荷重に耐えられる状態まで整えます。

井戸埋め戻しの一般的な手順

工事の流れは現場条件で多少前後しますが、下記が基本の手順です。慣習への配慮と安全性の両立を意識して進めます。

• ① 事前確認：位置・深さ・口径・井戸内の状態（ゴミ・水位・ガス）や周辺の埋設物（ガス・水道・下水・電気）を確認します。
• ② お祓い（任意）：神社や僧侶に依頼し、敷地や井戸に感謝と安全祈願をします。地域の慣習に合わせます。
• ③ 井戸内の掃除・汲み上げ：井戸内のゴミを回収し、必要に応じて水を汲み上げ、清潔な状態に整えます。
• ④ 息抜き：井戸内の空気・ガスを適切に逃がし、作業者の安全を確保します。
• ⑤ 充填・埋め戻し：砕石・砂・セメントミルク・コンクリート・ベントナイトなどから条件に合う材料を選び、段階的に投入・転圧します。
• ⑥ 井戸枠撤去・整地：コンクリート枠などを撤去し、地盤を締固めて周辺の舗装・庭を復旧します。
• ⑦ 記録・引き渡し：作業前後写真・充填材の種類・数量・手順を記録し、将来の説明資料として保管します。

井戸の埋め戻し費用相場の目安（タイプ別）

井戸の埋め戻しにかかる費用は深さ・口径・周辺条件・充填材・作業時間・重機や人員体制で変動します。以下は一般的な目安で、現地調査の結果に応じて多少前後します。

井戸のタイプ・条件	標準作業（掃除・息抜き・充填・整地）	費用相場の目安	備考
浅井戸（深さ～10m、口径小）	砂・砕石充填が中心	10〜25万円	庭内で搬入しやすい場合
中深度（10〜20m）	砂・砕石＋部分的にセメントミルク	20〜45万円	水位・口径で変動
深井戸（20m超）	セメントミルクやベントナイト活用	40〜80万円	充填材の数量が増加
枠が大型・コンクリート部厚い	枠撤去に追加手間	＋5〜20万円	斫り・搬出費含む

お祓い（神主・僧侶）への謝礼は地域の慣習で幅がありますが、一般的には1〜3万円程度が目安と言われています。事前に依頼先へ確認し、日程と流れを共有しておきます。

追加費用が発生しやすい要因と見積りの確認ポイント

井戸埋め戻しの費用は、現地の状況や必要な安全対策によって大きく変わることがあります。そのため、工事前にしっかりと調査を行い、見積書の内容を細かく確認しておくことで、予想外の追加費用やトラブルを防ぎやすくなります。

まずは、費用が増加しやすい要因をいくつか紹介していきます。

• 口径・深さ・水位：深い・太い・水量が多いほど充填材の量と作業時間が増えます。
• 井戸内のゴミや堆積物：回収・汲み上げに手間がかかると費用が上がります。
• ガス対策・安全養生：息抜きや換気・検知器等の追加でコストが発生します。
• 枠の構造（コンクリート・石積み）：斫り・搬出・処分費用が加算されます。
• 搬入経路・車両制限：狭小地や段差があると、人力搬入・小運搬の費用が増えます。
• 舗装・庭の復旧：タイル・アスファルト・植栽の復旧有無で費用が変わります。

見積書で必ず確認したい項目

• 作業範囲（掃除、息抜き、充填、枠撤去、整地）の明記があるかを確認する。
• 充填材の種類（砂・砕石・セメント・ベントナイトなど）と数量の根拠が示されているかを確認する。
• 写真撮影・作業記録の提出有無を確認する（将来の売却・説明資料に有用）。
• 追加費用が出る条件（口径増、想定外のゴミ、搬入経路変更など）の定義を確認する。
• 産業廃棄物処分（枠やガラ）の処理方法・マニフェスト対応を確認する。

見積書の「一式」表示が多い場合は、内訳を分解して説明を受けるのがおすすめです。

井戸埋め戻しに使う工法と材料の選び方

井戸の埋め戻し方法は、深さや口径、水の量、まわりの地盤の状態によって変わります。それぞれの条件に合った材料を選ぶことで、安全性を確保しつつ、無駄な費用を抑えることができます。

• 砂・砕石中心：浅井戸や水位が低い場合に一般的。段階的に投入・転圧し、空隙を減らします。
• セメントミルク・コンクリート：強固な封鎖が必要なケースや、将来の沈下を極力防ぎたい場合に有効です。
• ベントナイト：地下水の流れを遮断したい場合に活用。周辺の水質や地盤への影響を考慮します。
• 充填＋地盤改良：陥没リスクや重い建物を予定する土地では、表層改良や薬液注入などを組み合わせます。

アスベストや特殊廃棄物が関係する可能性がある場合は、調査・処理体制まで確認しておくと安心です。

井戸の埋め戻しを行う際の事前チェックと近隣配慮

井戸の埋め戻し工事では、周辺の埋設物や地盤の状態をしっかり確認し、近隣への説明や配慮を行うことが大切です。事前に準備を整えておくことで、安全性を高めるだけでなく、工事中や工事後のトラブルを防ぐことにつながります。

埋設物の確認：井戸のまわりにガス管や水道管、電気のケーブルなどが通っていないか、図面や探査で調べる。
騒音・振動・ほこり対策：工事の時間を決めたり、水をまいてほこりを防ぐなど、周囲に迷惑をかけない工夫をする。
近所への説明：工事の期間や作業内容、車の出入りなどを事前に伝えて安心してもらう。
安全管理：井戸の中のガスをチェックしたり、転落防止の柵を設けるなど、作業員や周囲の人が危険に巻き込まれないようにする。
作業記録の保存：工事前後の写真や使った材料の伝票などを残しておき、将来の建築や売却のときに説明できるようにする。

よくある質問（FAQ）

Q1. お祓いや息抜きは必須ですか？

法的に一律の義務ではありませんが、地域の慣習やご家族の安心感、安全対策の観点から実施するケースが多いです。特に息抜きは作業者の安全やガス対策として有効です。

Q2. DIYで埋め戻しても大丈夫ですか？

おすすめしません。井戸内の状態把握や換気・ガス対策、充填材の選定・数量算定、段階的な転圧など専門的な対応が必要です。不適切な施工は沈下や陥没、臭気・ガスの問題につながります。

Q3. どの充填材を選べばよいですか？

浅井戸で水量が少ない場合は砂・砕石が一般的です。水位が高い・深い井戸や将来の荷重に不安がある場合は、セメントミルクやベントナイトを検討します。

Q4. 費用を抑えるコツはありますか？

井戸の埋め戻し費用は条件によって大きく変わりますが、工夫次第で無駄な出費を減らすことができます。特に解体工事と同時に進める場合や、事前の確認をしっかり行うことでコスト削減につながります。以下のポイントを押さえておくと安心です。

• 解体工事と同時に行う：建物の解体と並行して井戸を埋め戻すと、重機や作業員を共有できるため、別々に行うよりも費用を抑えやすいです。
• 充填材の根拠を確認する：見積書に「一式」とだけ書かれていると数量が不明確です。井戸の深さや口径に基づいた材料の数量根拠を確認すると、過剰な請求を防げます。
• 復旧範囲を整理する：舗装や庭の復旧は必ずしも全面が必要とは限りません。優先度を決めて依頼すれば、余計な費用を減らせます。
• 複数の工法で見積もる：砂や砕石を使う方法、セメントミルクやベントナイトを使う方法など、複数案を比較すると費用と安全性のバランスが見えてきます。
• 追加費用の条件を確認する：井戸が深かった、ゴミが多かったなどで費用が増えるケースがあります。契約前に「どんな場合に追加費用が発生するか」を明記してもらいましょう。

こうした工夫をすることで、無駄なコストを抑えつつ、安全で将来に安心できる井戸埋め戻しを実現できます。

Q5. 埋め戻し後、建物を建てても大丈夫ですか？

可能です。ただし、建物の種類や基礎形式によって必要な地盤対策が変わります。将来の設計者に提出できるよう、充填材の種類・数量・手順の記録を保管してください。地盤調査を併用すると計画が立てやすくなります。

まとめ

井戸埋め戻しは、地盤や地下水への影響に配慮しながら、安全に空洞をなくす工事です。地域の慣習に合わせたお祓い・息抜き、現地状況に応じた充填材の選定、記録の保存が、安心と将来の資産価値につながります。最後にポイントを整理します。

• 安全性と地域慣習（お祓い・息抜き）を両立させて計画する。
• 費用は深さ・口径・充填材・作業条件で変動（目安10〜80万円）。
• 見積は範囲・充填材の種類と数量根拠・記録提出の有無を確認する。
• 近隣配慮（説明・時間帯・養生）と安全計画（換気・検知・養生）を徹底する。
• 将来の建築や売却に備え、写真や作業記録を保管する。